その日は久しぶりに出るであろう白い月を撮りに山へ。しかし間に合わず。乗鞍岳にもあいにく雲がかかり撤収の雰囲気。すると藪からガサゴソ!若くてまだ白い毛のが姿を現した。顔も正対象で虫もまだついていない、綺麗な顔の子。
大抵は茶か灰か、そのどちらかの斑らで、年を取っていると、鼻先にダニか何かのイボがついていて、それが画に野生感を引き出すのだけど、今回は色も良く、神聖なイメージで残せるかもと思って撮った。
白を引き立てたく思い、とっさにケルビン値を落とし、ISOは気にせず、SS1600まで上げて、いつ走り出してもいい様にセットした。だからクロップしたものは少しザラくなった。
レンズは、幸い月を撮るためAi AF VR NIKKOR ED 80-400mm F4.5-5.6Dをつけていた。古くて重いレンズだけれど、手持ちで雪山の滑り手を俺なりに撮れていたお気に入りのレンズ。
レテ側はf5.6と暗いけれど、十分に明るい屋外で絞ると、予想を超えたキレを見せることもあり、まだ使いこなせてないなと思うことが有るのなら、買い換えなくても良いなと思ってる。
15メートルほど離れた箇所から、互いに動くことなく、ただ見つめ合い、俺はシャッターを切り、相手は草を頬張っていた。たまに、俺の気配が大きくなると、相手はこちらを注視するので、俺はその黄色い目をできる限り合わせようと努力した。
そんな数分の時間を楽しんだ後、カメラの設定を確認し、顔を上に向けた時には、姿を消していた。今日の流れは白い月ではなく白いカモシカ…こっちだったんだね。THANKS!
Japanese serow カモシカ in the forest.